メンテナンス太陽光発電所をお持ちの方なら、太陽光発電所のメンテナンスについて1度は考えた事があるのではないでしょうか。

実際に太陽光発電を設置し、20年間の売電をしていく中で、外にある太陽光の場合は台風や落雷などの自然災害、鳥獣による糞害や、イタズラによる機器の破損など、
様々なトラブルが発生している事実があります。
中には遠隔監視を導入していて安心している人もいるかもしれませんが、遠隔監視だけでは万が一トラブルが発生した場合の対処などに不安が残ります。
今回は太陽光発電所の定期点検の際に発見したトラブルについてお話しします。

 

ケース【低圧50kw 茨城県某所の太陽光発電所】

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茨城県と言えば2012年に実施した意識調査では、実に85%の回答者が新エネルギーの導入について積極的に取り組むべきだと回答する程、エコに対して前向きな地域です。

また太平洋に面しており、平坦な土地が多い茨城県は日射量も豊富で太陽光に適した地域です。

 

太陽光に適した土地だと安心して、何もせずただ運用しているだけで要注意です。

今回の発電所は引き渡しから、まだ間もない発電所でしたが、驚くべきトラブルが多数見つかりました。

 

定期点検内容

・目視点検による外観検査

・パワーコンディショナーの動作チェック

・ストリング(IVカーブ)測定

 

太陽光発電所のメンテナンスの場合、発電状況を把握するため、天候のいい日、日中に行う事が一般的です。

 

定期点検当日は8月中旬で天候も良好でした。

開始時にはメーターがしっかり動作している事を確認して点検スタートです。

 

太陽光発電所での目視点検

まずは目視点検です。
目視点検では、パネルの汚れや破損、障害物などはもちろん、フレームの変形や破損、ケーブルの断線、損傷などの細かい部分も確認しています。

専門的な知識の下、トラブルが起こりやすい場所や劣化が起きやすい場所を重点的に見ていきます。

 

ボルトのマーキングチェックや脱落、錆など細部まで細かく確認する事で、太陽光発電所のトラブルを未然に防ぎます。

 

 

アースカバーの差し込みが不完全

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このように露出した状態だと、落雷などがあった際にパワーコンディショナー内に過電流が滞留し、故障に繋がる恐れが大いにあります。

パワーコンディショナーが止まってしまった場合、連系しているストリング全ての売電がストップしてしまう為、大きな損害が発生します。

 

 

閉塞処理不足

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配管口の閉塞処理が甘く、隙間が出来ています。

このままの状態で放置をしておくと、雨水や虫などがケーブル内に進入し、腐食や切断の原因となります。

 

 

固定金具の誤施工

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固定金具の設置向きが逆です。

正しく固定出来ていないので、台風や地震などが発生すれば太陽光発電所自体が倒壊する可能性があります。

専門的な知識がなければ見過ごされてしまった可能性が高いです。

 

 

屋内用のインシュロックの使用

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屋内用(透明)のインシュロックを利用しています。

屋内用のインシュロックになりますと、通常1~2年程で腐食が進み、破損をしてしまいます。こちらも専門的な知識がなければ見過ごされてしまった可能性が高いです。

長期的な利用を考慮すると屋外用への取り換えが必要となります。

 

 

今回の太陽光発電所の目視点検で見つかったトラブル事例は、配管の傷やヒビ割れ、加工の未処理、固定金具の誤施工など多数確認されました。

 

産業用太陽光発電所は20年間の長期投資となります。

すぐに売電への影響がみられないトラブルでも、長期的な運用を行うには、事前に対策を行う事が重要になります。

 

 

パワーコンディショナーの動作チェックでトラブル発見

パワーコンディショナーの相対比較を行い、同じ電圧・電流・発電積算量の比較をする事により不具合状況を確認します。

 

今回の太陽光発電所は5.5kwのパワーコンディショナーが9台設置されており、それぞれ1台ずつ点検を行います。

9台中7台は、直流を交流側へ問題なく変換を行っており、IR(サーモカメラ)で確認しても、動作規定温度範囲で動作を行っている事から、機器の過熱による異常は特にみられませんでした。

また他のパワーコンディショナーと、動作音の比較を行いましたが、異常音などは確認できませんでした。

ただし、残り2台のパワーコンディショナーに関しては、IR(サーモカメラ)で確認しても、動作規定温度範囲に収まっており、機器の過熱による異常は特にみられませんでした。しかし他のパワーコンディショナーと比較した際に、電流値、電圧値および発電量が顕著に低下している事がわかりました。

 

 

ストリング(IVカーブ)測定

ストリング(IVカーブ)測定では、各ストリングの相対比較を行います。

日射・気温との相互関係を確認し、外的要因・内的要因を比較する事により異常がないかチェックする事が目的です。

 

各ストリングが正常に発電しているかを判定する為、IVカーブ測定を行い、

太陽光発電モジュールの発電性能をIVカーブ特性で表示します。

図の通り、正常な赤のカーブに比べ緑のカーブは明らかに何かしらの異常がある事がわかります。

結果、緑のカーブは最大出力動作点が下がる為、発電量も低下します。

測定のデータを分析し、正常に発電していないストリングを特定します。

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今回の太陽光発電所ではパワーコンディショナー1台あたり、3つのストリングから成り立っており、合計で27ストリングありました。

※太陽光発電所では太陽光パネルを複数枚数並べて直列接続したものを系統「ストリング」と呼び、パワコン毎に、太陽光パネル数枚のストリングで構築されています。

 

今回すべてのストリングを点検したところ、8つのストリングに不具合が見つかりました。

 

 

不具合の原因は、パネル上のセル、クラスター故障によって電圧が低下していた事が判明しました。

発電量のトラブルは太陽光発電所の売電運用に大きな影響を及ぼすため、専門業者による早急な対応が必要です。

 

 

 

引き渡し直後の太陽光発電所もトラブルに注意!!

どんなに優良企業・優良メーカーだったとしても、売電開始から約10%の発電所が何らかのトラブルが起きたとのデータがあります。

この10%の数字は点検をしてわかった数字であり、点検をしていない発電所を含めるとその数値はさらに大きくなることでしょう。

太陽光発電所は必ずしも売電開始時から最大限発電するとは限らないのです。

他にも今回の様に、実際にさまざまな初期不良が報告されています。

 

万が一、完工後の引渡し時に現地に足を運んで検品した事がないのであれば、大変危険です。

 

初期不良に気づかず、売電損失を被っていたとしたら・・・

20年間の売電運用の開始から躓いてしまいます。

 

太陽光発電所の運用開始時から最大限発電させ、良いスタートを切るなら、専門家による施工状態・発電量の品質チェックが必須です。

 

中には実際に施工された施工店や販売店様とメンテナンス契約をされている方もいらっしゃるかと思います。

緊急時のトラブル対応は問題ないでしょうか…。

中には施工瑕疵を隠す業者や2~3枚程度の点検レポート報告で済ましてくる業者も少なくありません。

 

『はつでん管理人』は第三者視点でメンテナンス専門です!!

点検レポートは最大で150ページにも及び、トラブルが見つかった際は点検レポートを販売業者やメーカーへ提出すれば補修依頼もスムーズに行う事できます。

 

やはり最大限発電できるスタートを切るには、メンテナンスは必須です。

 

『はつでん管理人』は業界NO.1のメンテナンス専門業者です。

 

※『はつでん管理人』とは、NTTのパートナー・シルバー企業として5万件以上の施工・保守を手掛ける株式会社オーエフと、太陽光発電ポータルサイトNo.1「タイナビ」を運営する株式会社グッドフェローズが共同開発したメンテナンスサービスです。

 

はつでん管理人は皆様とご一緒に、安定した売電運用を目指します。

メンテナンスお悩みの際は、ぜひ『はつでん管理人』にお問合せ下さい。

http://www.solar-manager.jp/

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