今回はつでん管理人がメンテナンスを行ったのは、滋賀県の50kw低圧の太陽光発電所になります。本発電所の他に隣接する発電所がもう1区画あり、今回は合計で2区画の点検依頼がありました。
比較的新しい太陽光発電所でしたが、それでも大きな問題が3つもあり、残念なことに、初期不良と思しきものも見受けられました。ここからは、実際に合ったトラブル事例をもとに、太陽光設備にメンテナンスが必要なのか、語っていきたいと思います。
目視点検による外観検査
さっそく目視点検と呼ばれる調査を行っていきます。目視点検はその名の通り、肉眼で太陽光のシステムに異変などが起きていないかを調査するもので、一見すると誰にでも出来ることだと勘違いされがちです。しかしメンテナンスのプロがチェックする場合と、一般の方がチェックする場合では、調査する項目や精度が段違いです。
架台にゆがみを確認
目視点検を行っていくと、さっそく架台のゆがみが見つかりました。
太陽光の架台は太陽光パネルを支えるため、長期間しっかりと耐えられるものでなくてはなりません。この状態のまま放置をすると、強風や台風などが直撃した際に耐えられず、崩壊するでしょう。
またこれからの季節、積雪の問題もあり、雪の重みにより太陽光全体が崩れてしまう危険性も大いにあり得ます。
パネルの破損
太陽光パネルの表面にキズやヒビなどの破損があるものを、複数発見しました。
太陽光パネルは表面に意識が集まりますが、実際はパネルの裏側はそれほど強固なものではなく、産業用太陽光などの架台を設置する場合、裏側からの影響を受けやすくなります。
今回の太陽光パネルに関しては、発電量にも影響を及ぼしており、売電ロスにも繋がっていました。今回メンテナンスを行わず、そのまま放置していたとしたら、売電ロスは徐々に膨れ上がり、投資回収期間もさらに延びていた事でしょう。
変形したフェンス
フェンスがしっかりと固定されておらず、場所によってはグラついており、フェンスが変形している箇所がありました。万が一、強風などでフェンスが飛散し、第三者に被害を与えた場合、全ての責任は発電所を管理している事業者様にあります。
思わぬ事故を防ぐためにも、発電量だけではなく、太陽光全体の管理が重要となります。
パワーコンディショナーの動作チェック
ここでは、太陽光の核ともいえるパワーコンディショナーが正常に作動しているか、エラー表示のチェックや積算発電量の確認、異音や異臭を比較して確認します。
今回の点検では出力の数値に問題はありませんでした。
しかし事業主様から“定期的にパワーコンディショナー”が停止する現象があると事前に伺っておりました。現地で確認を行うと目立った要因はなく、初期不良の可能性が大いにありえました。施主様に対しては点検レポートを基に、販売店およびメーカーへのご相談を案内しました。
ストリング(IVカーブ)測定
続いて各ストリングが正常に発電しているかを判定するために、ストリング(IVカーブ)測定と呼ばれる点検を行います。
太陽光パネルの表面に起きたキズやヒビの影響からか、複数のストリングの数値が他と比べると低くなっていました。前述したとおり発電量にも影響を及ぼしており、売電ロスにも繋がります。
数値だけに目を向けると、微かな値になりますが、そのまま放置をすると他のパネルにも負担をかける事になり、経年劣化を早める原因にもなります。今後も継続して、注視していく必要があります。
太陽光発電にメンテナンスを決めるかは、あなたしだい
太陽光発電は20年間の長期運用になります。
来年度から改正FIT法にも注目が集まり、太陽光のあり方について数多くの意見が交わされる中、メンテナンスの重要度は日に日に増していくことでしょう。
今回の太陽光発電は、比較的新し太陽光発電所でしたが、多数のトラブルが見つかりました。
万が一、架台のゆがみや破損に気づかず、そのまま放置していたら……
万が一、パネルのキズに気が付かず、発電量の低下をそのままにしていたら……
メンテナンスは必須ではありません。メンテナンスを依頼せず、自前で行うのも1つの選択肢です。
しかし問題を発見できず放置していた場合、大切な太陽光設備は崩壊し、投資物件として購入したにも関わらず、手元に残るのは「大きな負債だけ」になったという声も少なくありません。
ご自身の太陽光システムに、本当に問題がないか。
一度、第三者視点でのプロによる点検を受けてみてはいかがでしょうか。
http://www.solar-manager.jp/