一時はメンテナンスフリーと大々的に言われてきた太陽光発電所ですが、実際に太陽光発電を設置してみると思いのほか、高い割合でトラブルが発生しているという事実があります。
太陽光発電所の投資を行うのであれば、メンテナンスは必須です。
では太陽光発電所のメンテナンスにはどれ位の費用を考えておく必要があるのでしょうか?
この記事では太陽光発電におけるメンテナンスの必要性と費用について。そしてどういったメンテナンスメニューを選ぶべきなのか、プロの視点から説明させていただきます。
太陽光発電におけるメンテナンスの必要性
安定した売電収入を得る為には20年という長期間、パネル、パワコンの能力を最大限、発揮させなくてはなりません。専門的な知識がないと、20年間発電量を最大限、発揮するのはとても難しいです。
もし、費用面だけを考えてメンテナンスを行っていない場合は、発電不良・故障により初期投資を返済できない事態も起こり得ます。投資として購入したのであれば、きちんと投資として回収しないと意味がありません。
20年間何もせず、問題なく売電が出来るという上手い話はないのです!
また改正FIT法が来年度(2017年)から施行されます。
50kw以上の新設・既設いずれの太陽光発電所も対象になり、場合によっては『認定取り消し』もあるので、十分な理解と対策が必要です。稼働済み案件については、メンテナンスが必須となりますので、準備を進めておかなければなりません。
太陽光発電におけるメンテナンス費用について
購入前は日照条件や発電量、設置場所など細かくチェックされている方がほとんどですが、いざ購入後となると、いかがでしょうか?
なんと半数以上の投資家様がメンテナンスなど何もしていないというデータが出ています。
毎月届く検針票を確認し、発電量の少なさを気には留めるものの、深く考えず結果、気づいた頃には、見過ごすことができない程、発電量が低下していた。そんな投資家様がほとんどです。
実際、太陽光発電所のメンテナンス事業としてはまだ始まったばかりで、色々なメンテナンスメニューや料金が溢れ返っているため、投資家様も迷われているのではないでしょうか。
費用を抑える為に、最低限のメンテナンスにも満たない方もいれば、過剰にやり過ぎて無駄に費用をかけている方もいます。
低圧(50kw)の発電所でFIT価格が29円とし、年間の売電収入が170万円前後になりますので、メンテナンス費用としては年間で約8万円~17万円前後がベストでしょう。
費用を抑えようとしすぎて、経験の少ない業者にメンテナンスを依頼すると、異常が発見できず、かえって損失が長引いてしまうこともありますので、注意が必要です。
必要なメンテナンスメニュー
メンテナンスを依頼する中で必ず必要なメニューが下記3点です。
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①年1回以上の定期点検
②緊急の駆付け
③遠隔監視
①年1回以上の定期点検
例えるなら人間の健康診断と同じです。誰でも自分やご家族の体調に関しては
定期的に健康診断や人間ドック、医師の診察を受けると思います。普段は健康に見えても、病気の予兆が見つかる事も珍しくありません。
しかし、太陽光発電の場合、定期メンテナンスどころか、点検さえ行わない人が非常に多いのです。太陽光発電所の定期点検で不具合が見つかる割合が半数以上というデータがあり、メンテナンスの必須項目となっています。
②緊急の駆付け
太陽光発電所はパネルだけではなく、パワーコンディショナー等の精密機器で成り立っている為、外的要因によって「故障」などが起こる確率が非常に高いです。そうなった時のために、「緊急の駆付け」を業者に依頼しておくことが重要となってきます。
例えば急に発電量が低下したなどのトラブル発生時、投資家様に代わって現場に急行することで、発生しているトラブルの解決はもちろんのこと、さらなるトラブルを未然に回避することもできます。
③遠隔監視
メンテナンスを行う上で必須なのが、遠隔監視です。
遠隔監視は太陽光発電所の発電状況を知る事ができ、トラブルに対しても早期発見し、対応する事が出来ます。
例えば自然災害などによる発電停止や発電量の減少をアラート通知により、いち早く知る事ができ、落雷などでパワコンが止まってしまった場合も、遠隔監視を確認する事で異常を発見でき、すぐに復旧する事が可能です。
遠隔監視機器導入については、設置費用や通信費用は発生しますが、20年間の安心した発電所の運用を考えるのであれば、導入を強くお勧めします。
他にも“除草”や“パネル洗浄”などもありますが、所有の太陽光発電所によって状況も異なる為、行う費用と得られる利益をきちんと把握して導入する事が大切です。
また忘れてはいけないのが、点検後のレポートです。
多くの発電所の機器にメーカー保証が付いていますが、保証を受ける為には「不具合の原因を立証」しなければいけません。この「立証」は専門的な知識がないとほぼ不可能で、メーカーが立証する訳ではない為、こちらも重要といえるでしょう。
メンテナンス形態のメリット・デメリット
様々なメンテナンス会社が乱立する中、費用を抑えるために自身で行う方、販売された施工店にそのまま任せているなど、様々な投資家様がいらっしゃることでしょう
ここでは各メンテナンス形態のメリット・デメリットについて触れさせて頂きます。
自己メンテナンス
◆メリット
・ご自身で行うので費用が最小限に抑えることができます。
◆デメリット
・何か起きた時に専門的な知識がないため対応出来ず、対応できる業者を探している内に売電ロスが増えてしまう。
施工店でのメンテナンス
◆メリット
・担当した施工店なので、太陽光発電所の状態について詳しく知っています。
◆デメリット
・点検の報告がワンパターンになり、施工段階での過失や不備を隠そうとする施工店も存在します。
・販売施工が本業の為、緊急の時にすぐに駆けつけてくれない可能性もあります。
メンテナンス専門業者。
◆メリット
・専門的な知識を持っているので安心して任せる事ができます。
・メンテナンスを専門に行っているので緊急時も迅速に対応が可能です。
・第三者目線でのフラットな立場からの品質チェックをする事ができます
・複数物件を所有している場合、一つのメンテナンス会社に一括してすべての物件を管理してもらえるため、問い合わせや手続きをスムーズに行う事ができます。
◆デメリット
・メンテナンス会社が多数あり、メニューや料金などどこに依頼していいのかわからなくなってしまいます。
・全体的に費用がかかるというデメリットがありますが、費用を抑えようとして、メンテナンスをしないままにすると、太陽光発電所の異常が発見できず、損失が大きくなってしまいます。
これから太陽光発電所を購入するのでしたらメンテナンスの事も視野に入れておくべきでしょう。そしてメンテナンスを依頼する際は、我々のように「信頼できるプロのメンテナンス会社へ任せる」ことが長期にわたる安定した売電運用への近道だと言えます。
太陽光発電とメンテナンスの関係性
最近は「施工してもらった業者が倒産し、今後のメンテナンスをどうすればいいのかわからない」などといった声を多く聞きます。メンテナンスの事を深く考えず、メンテナンス契約をし、無駄にお金を払っていては投資ではなく浪費でしかありません。
依頼中の業者から新たにメンテナンスを頼もうとした場合、再度費用が発生してしまう可能性もあるため、二の足を踏む方も多いようですが、リスクを回避するためにはきちんとしたメンテナンスが非常に重要です。
はつでん管理人ではメンテナンスの専門業者として、皆様の太陽光発電所をお守りします。メンテナンスにお悩みの際は、ぜひ『はつでん管理人』にお問合せ下さい。
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